消えない人

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あの男にとっては、何もかもが戯れなんだと分かっていたはずなのに。

そして私だってあの男と同じように、戯れだということにしていたはずなのに。

なんでもないような表情で贈られた紫の打掛に舞う蝶が、艶やかに私の身を包む。

妖しさという鱗粉を撒いて、憎しいあの男の出鱈目ばかりの言葉を掻き消す。
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公開:18/04/07 00:59

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