101号室

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101号室には行きたくない。絶対にいやだ、ここからは出たくない。
ここは快適だ、入って約10ヶ月、ずっとお世話になっている。
来た当初、勝手がわからずに戸惑ったものだが、徐々に色々なことが明らかになっていった。それは私と繋がった女性の献身によるものも大きい。
その女性が急に苦しみだす。よろめきながら、うめき声をあげている。
私は何もすることができない。ただ、事の成り行きを見守るばかりだ。
サイレンの音がする。「101号室」と壁の向こうで漏れ聞こえる。
そうか、壁の向こうは「101号室」という名前なのか?
どうやら、私が外に出る事で女性は苦しみから解放されるらしい。
しかし、快適な環境から出たくない。
しかし、女性が解放される。
意を決する。外へ出る。さよなら快適な環境、悲しみに私は声を張り上げて泣く。
「よく泣く元気な男の子ですね」
世話になった女性の満足そうな吐息がこちらに伝わってくる。
ミステリー・推理
公開:18/04/07 23:55

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