ものさし指

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「おい、ものさし!出番だぞ。」
僕の名前は「ものさし」じゃないやい。そう文句を呟く間も無く、僕はしゅるっと指を伸ばして幅跳びの記録を測る。
「2m10cm!」
何でもぴったり測れる僕の「ものさし指」は、いつも笑いの的だ。中学で陸上部に入部しても、お陰でいつも記録係ばかり。全然楽しくなんかない。
だけどある日、僕に転機が訪れた。それは部活中のこと。隣の野球グラウンドから、ファウルボールがぽーんと高く上がり目の前に落っこちた。
「おーい!パス!」
野球部員が叫ぶ。ここから約100メートル、指を出さずともわかる。 右手で投げると、球は真っ直ぐに飛び、ホームにいるキャッチャーのミットに収まった。フィールド中の視線が僕へ集まる。
次の日、僕は野球部に入部を決めた。陸上部の奴は尋ねた。
「何でお前が野球部なんだよ。」
「監督に言われたんだ。お前の右腕は、メジャーで通用するって。」
その他
公開:18/04/07 19:56
更新:18/04/07 20:23

あおい( 北海道 )

結婚し、幸せになりを潜めて3年。
再び書きたくて登場。
多分そのうちまた消える。

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