橋の上のデラウェア

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秋。実りの季節になると葡萄祭りが開催される。

名古屋に程近い、とある島。温暖な気候のこの地では葡萄栽培は無理だと言われていた。
無理と言われるとやりたくなるのが人間。
島人は何度も失敗を繰り返し、とうとう、島の中のある場所でのみデラウェアが育つことを発見した。
それは、橋の上だった。

本州と島を繫ぐ大きな吊り橋。橋を吊っているワイヤーに這わせることで葡萄を育てることができた。

秋。葡萄祭りの日には橋が封鎖される。車は通れなくなる代わりに、人が自由に橋の上を歩き、ワイヤーからぶら下がっている葡萄を摘み取る。摘み取った葡萄はその場で食べても良いし、お土産で持ち帰っても良い。
食べきれなかった葡萄は島人が総出で摘み取り、ジャム、葡萄ジュースなどに加工する。

それにしても、なぜ橋の上だけに葡萄が生るのか。それもデラウェアだけが。専門家が調査を重ねた結果。

でら上や

ということらしい。
その他
公開:18/04/07 18:03
不思議な言葉

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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