あの頃の地球はよかった

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「あの頃の地球はよかった」

男が地球上でたった一人になってから数ヶ月が経った。

人間が生きていくのは地球だけだと思われていたが時代は変わり、地球から他の星へと移住することが当たり前に。なぜなら、地球よりも他の星の方が暮らしやすくなったからだ。

男は地球上で最後の一人になるまで「あの頃の地球はよかった」そう人々に語りかけた。他の星への移住が流行りはじめたころは男の語りに共感する人も多かったが、次第に煙たがられる存在に。

男は「自分が正しい、何も変わらなくていい、今のままでいい。」そう信じ込んでいて、時代に取り残されていることを最後まで決して受け入れなかった。

人々がいなくなったことにより地球は荒れ果て、もうすぐ食料も尽きる。

「あの頃の地球はよかった」

そう語りかけても聞き手は誰一人としていないのに、今日も男は語りだす。
ファンタジー
公開:18/04/05 18:00
更新:18/04/05 18:04
保守的 時代 時代の変化 風刺

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