痛みの記憶

ピリピリピリ…
チリチリチリ…

頭の奥の奥で暴れる痛みの記憶

記憶の引き出しに鍵をかけていたはずなのに

キリキリキリ…
チクチクチク…

胸の奥の奥で暴れる痛みの記憶

心の深い深い場所に埋めてしまったはずなのに

所構わず勝手に出てきては
僕の平穏を掻き乱していく

丘の上に立つ僕には太陽の光が降り注ぎ、風は緑の大地の匂いを鼻先まで運んできてくれる。
両手を広げ僕は雲を抱きしめる。
周りには誰もいない、生き物も存在しない世界から僕は痛みの記憶だけを受けとる。

幾千もの小さな痛みが体を駆け抜けていくと僕の記憶は過去に還る。

人の痛みに敏感で自分の痛みには鈍感になってしまわないように僕は僕の痛みを抱きしめよう。

暴れて爆発しそうな痛みの記憶

傷ついてしまった僕の分身
ほんとは閉じ込めるんじゃなくて愛しく想わなければいけなかったんだね

ありがとう

僕が気づくまで待っててくれて