緑の技師

この季節の草木は美しい。太陽の愛をたっぷりと浴び、眩しいくらい生々としている。
僕のこの季節の草木が大好きだ。特に木の葉や草たちは元気にスクスク成長する時期。成長するから、傷や裂け目が出来てしまう。虫などの外敵要因もあるだろう。
僕は痛めた葉っぱや草たちを修復し治してあげる「緑の技師」なんだ。
例えば、虫の足が引っかかり穴が空いた葉っぱは、樹脂で固めその葉っぱに合った色を塗る。色だけでも300色はあるんだ。動物の目には3〜4色ほどにしか見えないんだろうけどね。それだけ、個性があるってことだ。
もちろん出来ないこともある。秋になると彼らも茶色へと変化していく。老いて行くことは誰にも止められない。数ヶ月前の青々とした姿にしてくれって言われるが無理だ。
葉っぱや草たちの寿命は短い。だからこそ、輝ける瞬間を大切にさせたいんだ。
「緑の技師」の仕事に僕は誇りを持っている。