解せぬ

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 あれはなんだったのだろう…

「二点で321円になります。」

 チンするご飯は一人暮らしの味方だねーとか考えてる私を、レジのお姉さんが怪訝そうに見ていた。

 んん?

「えっと、お箸をつけていただけますか?」

 そう言った時の、まるで信じられないものを見るような表情。

 帰りの道すがら、それが気になって仕方がなかった。

 家に近づくと、三匹の子猫が飛び出してくる。私にまとわりつくように並んで走る姿は、ものすっごく愛くるしいが、蹴飛ばしてしまいそうで気が気でない。

 アパートの軒下で生まれた子猫たち。

 あっしには関わりのねえ事でござんす…が、毎日の買い物に猫缶が増えた。

 ほら君達、少し待ちたまえ、今開けてあげるからと、レジ袋の中を覗いたとき、全ての謎は解けた。

 いやいや、お姉さん、私んじゃないから!

 私がその時に買ったのは、ご飯と猫缶がひとつだけだったのでした。
その他
公開:18/04/06 01:39
更新:18/04/06 05:37

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