顔面力
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僕の名は顔面リキ。究極の顔面力を手にするべく、幼い頃から厳しい顔面練を積んできた。小学校で顔面力世界ジュニアチャンピオンに輝き、世界顔面選手権で金メダルを獲得。顔面力界のエリートコースを歩んできた。僕が悲しい顔すれば、国葬級の誰かが亡くなったかとニュースになるし、僕が怒った顔をすれば、戦争が勃発か、と騒ぎなる程だ。
そんな僕に好きな子が出来た。毎日毎晩妄想が止まらない。思い切って告白した。なんせ僕は有名人なんだ。
「好きです。付き合ってください!」
俯いた彼女は顔を上げて僕を見ると、外れそうな程大きく、顎と目を見開き走り去って行った。
ああ、なんてこと。僕の顔は、妄想だだ漏れだ。甘い告白の最中に、ただ欲望の塊と化した変態顔を晒したのだ。
「普通の男の子に戻りたい!」
そうして僕は、顔面力を封印した。
その後、封印を解いたのは、産まれて数ヵ月になる息子への渾身のべろべろばあ一回だけだ。
そんな僕に好きな子が出来た。毎日毎晩妄想が止まらない。思い切って告白した。なんせ僕は有名人なんだ。
「好きです。付き合ってください!」
俯いた彼女は顔を上げて僕を見ると、外れそうな程大きく、顎と目を見開き走り去って行った。
ああ、なんてこと。僕の顔は、妄想だだ漏れだ。甘い告白の最中に、ただ欲望の塊と化した変態顔を晒したのだ。
「普通の男の子に戻りたい!」
そうして僕は、顔面力を封印した。
その後、封印を解いたのは、産まれて数ヵ月になる息子への渾身のべろべろばあ一回だけだ。
その他
公開:18/06/19 19:06
更新:18/10/16 09:27
更新:18/10/16 09:27
人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。
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