きまぐれ短冊

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ある日の夕方、さびれた神社にうす汚れたぬいぐるみを抱えた女の子がたたずんでいた。洋服はしわだらけ。母親が入院していて、家事に不慣れで不器用な父親が洗濯したからだった。
そこはねがいごとが叶うと評判なのだが、ここの短冊たちは気むずかしく、逃げるように隠れる。
足が長くなりたいと願ったら、足のサイズが伸びたという噂もある。
くちゃくちゃに丸められた短冊を見つけた。女の子は「あいろーん」と言いながら、しわをのばした。
「おかあさんガ げんきしこ なリきすようしこ さち」と書き、笹に結んで帰っていった。
強風が吹き荒れ、笹に結ばれた短冊達はみな逃げていった。低いところに結ばれたちさちゃんのものを残して。

数日後、しみもしわもないお洋服の女の子が神社にお参りに来た。
お母さんと手をつないで。
しばらくして、短冊は風もないのにはためき、ふわふわとうかんで、飛んでいった。
ファンタジー
公開:18/06/17 23:56

富田京子

400文字に収めることと、思いついたアイデアを形にするむずかしさに苦戦しております。
くすりと笑って頂けたら、幸いです。
よろしくお願いいたします。

画像をアップロードするのを失敗しまくりました_:(´ཀ`」 ∠):
いまだに、使いこなせておりません。
携帯を壊して、しばらくこれませんでした。
すみませんm(_ _)m

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