星の願いを

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オイラも願っちゃ悪いかなァ。
……と、願われてばかりの流れ星は考えた。

音速をはるかに超えて、宇宙空間を吹っ飛んでいく、
彼らにとっては、近くを通り過ぎる星はみーんな、
流れ星みたいなものだった。

だけど、軽軽に願ったりはしない。
とっておきの願いは、文字通り、とっておかなきゃ。

ヤヤッ! 青く光る水の星だ!
なんて、美しい星だろう。
そうだ! あの星に願おう。

ずっと考えていたことさ。
オイラも、宇宙の風来坊のままではいられない。
ああいう、生命に満ちた星に抱きとめてもらえたら、
シアワセだろうなァ。

流れ星はすばやく3回願った。
太陽系の第三惑星はにっこり笑った。

嗚呼、万有引力ってのは愛に似ているね。

――まてい!

そこに月が割って入る。
SF
公開:18/06/17 21:49

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