熊の贈り物

彼氏と迎える私のバースデーは３回目。
今年はどんなプレゼントを用意してくれたのだろう。彼は私を部屋に招いてくれた。
「はい美香プレゼント」
「ありがとう涼ちゃん」
なんだろう？もしやバック？にしては中途半端な箱。開けてみた。

木彫りの熊。

しかもシャケくわえてるやつ。リアクションに困った。
「う、うわあ、うれしい！このシャケ超リアルぅ（どこ置くんじゃ）」
「だろ、彫るの苦労したよ」
「彫った！の？（アイヌ族か）」
でもまあ、心を込めて作ってくれたし、ヘソ可愛いし、とヘソを押したとき事件は起こった！ペキッと亀裂が入ったのだ。ヤバい！
「どうかした？」
「ううん。壊れるといけないから箱にしまっとくねー（バレないようにねー）」
しかしそれは見事に裏切られた。熊は真っ二つに割れた。
「涼ちゃん……（涙）」
「泣くなって。一生笑わせるから」

熊のお腹の中で指輪が煌めいていた。

「結婚しよう」