テニスサークルの雨女
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「まーた雨?」
「すみません」
コートに集まった人たちに向かって謝る。
私は奥様テニスサークルの雨女。私がコートに顔を出すと必ず雨が降り出す。小雨なら練習を強行することもあるけれど、毎回毎回土砂降りなのである。
「なんか憑いてるんじゃないの?」
「やっぱりそうでしょうか。お祓いしてもらった方が良いかしら」
マジ顔で尋ねる。いや、ほんと、真剣。マジ。
紹介してもらったお祓い師の元に行く。私を一目見て言うことには
「あー、憑いてるね。お母様、亡くなってるでしょ。いるよ、あなたの後ろに」
「え、母ですか?」
「学生時代、何かとテニスを言い訳にしてたでしょう、だからお母様の雷が落ちてるのよ」
「母だとすると、お祓いするのが心苦しいです」
「まあ、そのうち終わると思うよ」
「どの位ですか?」
「学生時代、あなたがお母様に雷を落とされた回数分」
じゃあ、あと10年は無理だ。
「すみません」
コートに集まった人たちに向かって謝る。
私は奥様テニスサークルの雨女。私がコートに顔を出すと必ず雨が降り出す。小雨なら練習を強行することもあるけれど、毎回毎回土砂降りなのである。
「なんか憑いてるんじゃないの?」
「やっぱりそうでしょうか。お祓いしてもらった方が良いかしら」
マジ顔で尋ねる。いや、ほんと、真剣。マジ。
紹介してもらったお祓い師の元に行く。私を一目見て言うことには
「あー、憑いてるね。お母様、亡くなってるでしょ。いるよ、あなたの後ろに」
「え、母ですか?」
「学生時代、何かとテニスを言い訳にしてたでしょう、だからお母様の雷が落ちてるのよ」
「母だとすると、お祓いするのが心苦しいです」
「まあ、そのうち終わると思うよ」
「どの位ですか?」
「学生時代、あなたがお母様に雷を落とされた回数分」
じゃあ、あと10年は無理だ。
その他
公開:18/06/16 16:59
文章を書くのが大好きです。
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