叶わぬ願い?

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 「あいつの願い事を叶えられれば、お前を名実共に神として認めてやろう。ただし、できない場合は一生見習だからな。」
 
 見習神は認められたい一心で、大神が気まぐれに選んだ人間のもとにやって来た。だが、その男は全く欲がなく、待てど暮らせど願い事が一つも出てこない。わざと不幸に陥れてみても、全て運命だと受け入れてしまう。願い事が無い限り、叶えようもないではないか。
 こうなったら、直接願い事を聞き出すしかない。焦れきった神は、ついに夢枕に立った。
 
 「男よ、お前の願い事を叶えてやるぞ。お前の願いを言ってみよ。」
 「願い事ですか?生憎今の暮らしに満足しておりますので……」
 「金持ちになりたくないか?出世は?会いたい人は?嫁は欲しくないか?長生きはしたいだろう?」
 「はあ……」
 「世界平和とか、自分のことじゃなくてもいいぞ。」
 「では……あなたの望みが叶うようお願いしておきますよ。」
その他
公開:18/06/17 16:59

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