叶う願い事

初詣のお参り。
参拝者は神様にお願いをする。実際、その願い事は叶っているのか？実は毎年1人だけ、神様は願い事を叶えている。毎年何千万もの願いは集まるが全部を叶えるほど神様も暇ではない。
まず、集まった願い事を神様が選定する。一次審査だ。
参拝の正式なやり方というものは二礼二拍手一礼など様々なルールが存在するが、そんなものは見ていない。願う強さを見ているのである。神様も折角選ぶのだから叶え甲斐が欲しいのだ。
二次審査はその人の生活である。大富豪が願い事をしても大抵のことは金で解決する。願いを叶えてやっても、こいつは神様のお陰だと気付かないはずである。まさか神様が！？と思わせたいのだ。
最後の審査は運である。くじを作り引いた一枚の願い事を叶える。
ようやく今年神様が叶える願い事が決まった。
ある脱獄囚の自由になりたいという願い事。
次の日、脱獄囚は何者かの通報により逮捕された。