星が願いを

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いつも地球を観察していたとある星が呟いた。
「私も七夕やってみたいなぁ。短冊を笹に吊るして、飾りつけをして」
「無理だよー。笹も短冊もないし」
友達星はテンションが低い。
そこへ、「あのぅ」と地球が呼びかけてきた。
「星をつないで、七夕の笹飾りに見える星座を作ってみては?」
話を聞いた星は即座に、やる、と答えた。

次の七月七日。
「共有イメージの笹全体図をレイヤーとして重ねると、たくさんの短冊や飾りが笹の上で輝いてるようできれいだ」
観測地点の星が報告した。
短冊役になった星は、青、赤、黄、白、黒と色とりどりの協力星たちとともに作っている《七夕の笹飾り座》の姿を想像した。そして、宇宙から広く募集され自分に割り振られた願い事を唱え続けたのだった。

やがて彗星が星に声をかけた。
「素敵ナクリスマスツリーデスネ!」
「実は七夕の笹飾りなんです! 吹流しの飾り役をやりませんか? 形、似てるし」
ファンタジー
公開:18/06/17 05:47
更新:18/06/17 06:03

UKITABI

ショートショート初心者です。
作品をたくさん書けるようになりたいです。

「潮目が変わって」(プチコン 海:優秀作)
「七夕サプライズ」(七夕ショートショートコンテスト:入選)
「最高の福利厚生」(働きたい会社 ショートショートコンテスト:入選)
選出いただきました。

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