バースデー・ウェディング

6
95

「新郎新婦の御入場です」

幼なじみの結婚式。こんなめでたい事はない。

「皆様、大きい声で!新郎新婦ご結婚」
『おめでと〜』

僕は精一杯声を出した。

「そして本日は何と、新郎様のお誕生日でもあります。せーの」
『おめでとー』

忘れていた。
誕生日に結婚式を挙げられるなんて、まったく羨ましい人生だ。

「さらには新婦様のお誕生日でもあります、せーの」
『おめでとー』

何と!こんな偶然があるのか!
同じ日に生まれたとは、運命的。

「さらに新郎様のご両親」

こんな奇跡は見た事がない。

「ならびに新婦様のご両親のお誕生日でもあります」
『おめでとー』

少し怖くなってきた。

「そして2人のお子様も今日が誕生日です」

え? 子供いたっけ?

「前にご注目を!まさに今生まれようとしています。せーの」
『ひーひーふー』

僕は会場を飛び出し、走った。

プレゼントが足りなかったから。
ファンタジー
公開:18/06/13 16:22
更新:18/06/13 16:25

西木( Tokyo/Tokushima )

ここで全てを生み出しています。
最近のSSGのレベルの高さに驚愕しております。

https://twitter.com/fabian_westwood
https://note.com/fabian
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容