2
95

昔、天空には神々の住まう宮殿があった。その宮殿の奥には大きな琴がある。その名を願い琴と言う。
この願い琴には不思議な力があった。その名の通り願いが叶うのである。
神はある時、黄道十二宮の星座達に私の琴線に触れる様な願いをした者に褒美を与えようと宣言した。
すると彼らは
牡羊座は、のんびり眠って暮らしたいと願った
牡牛座は、あまりにゆっくり喋るので後回しにされた
双子座は、二人が同じ願い事をシンクロで喋った
蟹座は、貯金、貯金、貯金と三度願った
獅子座は、妻の尻に敷かれていた
乙女座は、白馬の王子様が現れます様にと願った
天秤座は、二つの願いを天秤に掛けた
蠍座は、オリオン座を追い詰めていた
射手座は、急遽、キューピッドのバイトが入った
山羊座は、皆の願いが書かれた短冊をパクパク食べた
水瓶座は、山羊座の食い散らかしたゴミを水に流していた
魚座は、水瓶座の水に流されて願いを一言も言えなかった
公開:18/06/13 16:10
更新:18/06/13 16:40

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容