職人の技
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建設中の住宅の前を通りかかると、若い職人が親方にえらい剣幕で怒鳴られていた。
「使えねぇな!この馬鹿野郎が!」
「すみません。すみません。」
若い職人は今にも泣きそうな顔で、ペコペコと頭を下げ続けている。立ち止まって見ていると、頭がグラグラと大きく揺れ、首の部分からポキリと折れた。
それでも親方の怒鳴り声はおさまらず、若い職人は首のない体でペコペコと腰を曲げ続ける。そのうちに上半身がグラグラしたと思ったら、腰の部分からポキリと折れた。
親方の罵声はさらに激しくなり、若い職人は膝をカクカクしながら謝り続けた。そのうち膝からポキリと折れて膝から下がパタンと倒れた。
「おい。」
思わず声をあげると、親方がこちらを振り返る。
「近頃の若いもんはちっと怒鳴るとすぐに折れやがる。」
「でも、なかなかすごい技を持っているよ。」
気が付くと若い職人は折れた体をくるいなくぴったり接合していた。
「使えねぇな!この馬鹿野郎が!」
「すみません。すみません。」
若い職人は今にも泣きそうな顔で、ペコペコと頭を下げ続けている。立ち止まって見ていると、頭がグラグラと大きく揺れ、首の部分からポキリと折れた。
それでも親方の怒鳴り声はおさまらず、若い職人は首のない体でペコペコと腰を曲げ続ける。そのうちに上半身がグラグラしたと思ったら、腰の部分からポキリと折れた。
親方の罵声はさらに激しくなり、若い職人は膝をカクカクしながら謝り続けた。そのうち膝からポキリと折れて膝から下がパタンと倒れた。
「おい。」
思わず声をあげると、親方がこちらを振り返る。
「近頃の若いもんはちっと怒鳴るとすぐに折れやがる。」
「でも、なかなかすごい技を持っているよ。」
気が付くと若い職人は折れた体をくるいなくぴったり接合していた。
その他
公開:18/06/13 13:05
更新:18/10/01 19:40
更新:18/10/01 19:40
人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。
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