晴れた星夜

「久しぶり」「おう」
「一年ぶりだね」「そりゃそうだ」
「私太ってない？」「大丈夫だ」
「こうして会えたのはみなさんのおかげかしら」「会えるように願ってくれてるからな」
「不思議だわ、ずっと願ってくれるわよね」「ああ」
「もう私達は下の人の一生よりも遥かに長い時間一緒にいるのに」「そしてこれからもな」
「ねぇあなたから下の人へ言ってくださらない？」「何を」
「私の言いたい事ぐらいわかってくれるでしょう？」「そりゃこれだけ一緒にいればな」
「でしょ？」「でも声が届かないほど遠い」
「何か伝える手段があればいいのだけど」「毎年この話になるな」
「ふふふ、そうね」「人の逢瀬を願ってる暇があったら自分の願いを叶えろ、とも伝えづらい」
「難しいわね」「下の人も空ばかり見てないで自分の足元をしっかりと見定めて叶えてほしいよな」
「ええ本当に、あらそろそろ時間だわね」「ああ、それじゃまた来年の七夕に」