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「もしもし俺だけど」
「あら哲ちゃん元気にしてる
ちゃんとご飯は食べているの」
「仕事で失敗して
金が必要なんだ 母さん
部下が取りに行くから
渡してくれないかな」
「分かったわ 用意しておくわね」
1時間後 指定された
場所に
封筒と風呂敷に包んだ
重箱を
「息子がお世話になっています。皆さんで食べてください」と渡した
とあるビルの片隅で
男はしめしめと中身を空けた
すると封筒には
数枚の板チョコと手紙
あの婆に騙された
手紙を読むと
「どなたかは存じませんが
我が息子の哲ちゃんは
戦後の食糧難にお腹を空かせて
息絶えました
生きていたらあなたぐらいの
年でしょう
どうか残りの人生
哲ちゃんの分まで
真っ当に生きてください」
重箱を開けると
煮物と稲荷がぎっしり
「真っ当に生きる…か」
翌朝の一面に
巨額詐欺犯 自首の文字があった
「あら哲ちゃん元気にしてる
ちゃんとご飯は食べているの」
「仕事で失敗して
金が必要なんだ 母さん
部下が取りに行くから
渡してくれないかな」
「分かったわ 用意しておくわね」
1時間後 指定された
場所に
封筒と風呂敷に包んだ
重箱を
「息子がお世話になっています。皆さんで食べてください」と渡した
とあるビルの片隅で
男はしめしめと中身を空けた
すると封筒には
数枚の板チョコと手紙
あの婆に騙された
手紙を読むと
「どなたかは存じませんが
我が息子の哲ちゃんは
戦後の食糧難にお腹を空かせて
息絶えました
生きていたらあなたぐらいの
年でしょう
どうか残りの人生
哲ちゃんの分まで
真っ当に生きてください」
重箱を開けると
煮物と稲荷がぎっしり
「真っ当に生きる…か」
翌朝の一面に
巨額詐欺犯 自首の文字があった
SF
公開:18/06/14 08:13
更新:18/11/17 00:29
更新:18/11/17 00:29
詐欺
春星と申します
自宅では一児の親
職場では会社員
そして通勤電車の中では
自称ショートショート作家に
大変身‼︎
長い冬眠から目が覚め
久々に復帰しました
また皆様宜しくお願い致します!
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