・オブ・グレートマシニスト

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チェーンソーを持つ手が震えた。
「お前は何も気にする必要はない。ただ切ればいいんだ」
こいつにはこう言われた。
だが、本当に大丈夫なのだろうか。
失敗したら、こいつは真っ二つだ。
ステージでは音楽が流れ、俺の背中には冷や汗が流れる。
こいつは目で「早く切れ」と伝えてくる。
ええい、ままよ!
俺は高速で回転するチェーンソーをこいつの腹部に当てた。
血しぶきが舞う。客席からは悲鳴が飛ぶ。
俺は戸惑って手を止めてしまう。
だが、こいつは「そのまま続けろ」と訴えかけてくる。
俺は思い切ってそのまま切り進めた。

「お前の切りっぷり、良かったぜ!」
ステージが終わった後、こいつは俺に言った。
「俺は言われた通り、切っただけだよ」
真っ二つになったこいつを見下ろしながら、俺は答えた。
ミステリー・推理
公開:18/06/13 23:05

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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