それを土壌として育まれるもの
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鼻の頭に大きな黒子があった。いつか手術で取ってやるぞと思っていた。
その黒子がある日を境に盛り上がりだす。黒子は山みたいになって、そこから緑色の芽が出た。
抜こうとすると痛むので、仕方なく病院へ行った。
世界に何例かしかない奇病との診断。でも、近くに同じ症状の人がいるとのこと。世界は狭いなと笑ってしまった。
初めは情報交換のために。
だけど会うその度に、私たちは互いに惹かれあっていった。
それと同時に病気も進行していき、私たちの芽はどんどん大きくなっていった。
とうとう花も咲いてしまった頃、私たちは互いの気持ちを確かめあえた。盛り上がってしまい、思わずその場でキスもした。
どうも、その時に受粉したようで。
花は、種を残してきれいさっぱり、黒子ごと消えてしまったのだった。
実は皆が褒めてくれる玄関先の花は、その種の花だったりする。
二人の愛の結実、と言うと少し恥ずかしいけれど、ね。
その黒子がある日を境に盛り上がりだす。黒子は山みたいになって、そこから緑色の芽が出た。
抜こうとすると痛むので、仕方なく病院へ行った。
世界に何例かしかない奇病との診断。でも、近くに同じ症状の人がいるとのこと。世界は狭いなと笑ってしまった。
初めは情報交換のために。
だけど会うその度に、私たちは互いに惹かれあっていった。
それと同時に病気も進行していき、私たちの芽はどんどん大きくなっていった。
とうとう花も咲いてしまった頃、私たちは互いの気持ちを確かめあえた。盛り上がってしまい、思わずその場でキスもした。
どうも、その時に受粉したようで。
花は、種を残してきれいさっぱり、黒子ごと消えてしまったのだった。
実は皆が褒めてくれる玄関先の花は、その種の花だったりする。
二人の愛の結実、と言うと少し恥ずかしいけれど、ね。
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公開:18/06/13 22:57
更新:18/06/14 17:50
更新:18/06/14 17:50
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