たくさんのお願い

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短冊は一人一枚です、って先生は言ったけど、僕にはそれが不満だった。
なんで?たくさんお願いしたらだめなの?
先生は少し困った顔をして、一番叶えたいお願いが叶うようにですよ、と僕に言った。
だけど僕は納得できなくて、一つの短冊に出来るだけのお願いを書くことにした。

足が速くなりますように
欲しいゲームが買えますように
テストで良い点がとれますように
こんな風にたくさんのお願いを。

放課後、家に帰りながら、僕はどうにも先生の言ったことが気になって仕方がなくなってしまった。

一番叶えたい願い。僕の一番はなんだろう。それは、やっぱり…

僕は走って、学校へ、教室へと向かった。教室の後ろの壁には、みんなの短冊が飾られている。もちろん、僕のも。
僕は筆箱から赤鉛筆を出して、僕の短冊に書かれたお願いの一つを赤い丸で囲んだ。

『みんながいつも笑っていられますように』
これが僕の一番の願いだった。
青春
公開:18/06/12 02:43
更新:18/06/12 02:49

sakana

ショートショート好きです
学生やってます。

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