歴史研究家の仕事

とある歴史を調べることに特化した私のもとに今日も依頼が舞い込んでくる。
訪れたのは普通の一軒家。ここで待つ主婦が依頼人である。
「最近息子が反抗期なのか言うことを聞かなくなって…」
主婦は困り果てたように相談してくる。この仕事は親御さんの愚痴とセットである。
話が終わったところで私は早速、仕事を始めることにした。
息子さんの部屋に入ると机・本棚・押し入れ・ベッドの下を調べる。
成程成程…息子さんはいい趣味の持ち主のようだ。
それらを写真に収め、私はその日帰ることにした。

後日、依頼人に書類の束を渡した。
「真人君…いえ、黒天使（ブラックラファエル）MST君の研究報告書です」
それは依頼人の息子さんの黒歴史そのもの。
私はこうした黒歴史の発掘と研究が専門である。
どれだけ隠そうとも、どれだけ隠滅しようとも必ずどこかに黒歴史は残っている。

これで真人君はもう親に逆らうことが出来ないだろう…