愛すをひとつ

皆が、日常に何か足りないと感じていた
バランスが崩れているのだ
そう、人との出会い・・
誰かを愛し、愛されること

そんなニーズに応えるべく、この夏から政府が新しい試みを始めたそうだ
男女の出会いをサポートする店舗の実証実験だ
店舗の作りは、昔あったような「純喫茶」をモチーフとした作りになっていた

木製のドアを押してはいると小さなカウベルがカラコロンと音をたてた
小さなテーブルの席に腰掛ける
テーブルの上には、ＡＲ（拡張現実）のゴーグルが置いてある
それをつけると、カウンターにオーダーを伝える

「愛すをひとつ」

ゴーグルの中に女性の姿が描き出される

一方的に愛を求めることもできるし、愛を与えることもできる
また、他の客から愛を奪うこともできる

多くの人は、愛すことより愛されることを求めた

拡張現実の世界も、バランスが崩れていた