封印

　ただ愚かな人間に神様が罰を当てただけだとおじいさんは言いました。
　いたずらをした孫たちは黙ってその話を聞いています。
　なのに人間たちは自分たちの行いが神の怒りに触れたと気付かず、暴れる神を魔物だと信じてあそこに封じ込めてしまった。
　眉をひそめ、恐ろし気な表情でおじいさんは言って聞かせます。だからあそこで遊んで、もし祠が壊れてしまったらどうなる？　と。
　孫たちは真剣な眼差しでごめんなさいと謝りました。
「ははは、わかればいいんじゃよ。おうおう。そげな顔せんでええ。祠壊して神さんを起こさん限りだいじょうぶじゃ。
　そうさな、勝手に封印が解けて、怒りに怒った神さんが起きてくるんはもっとずうっとずうっと後の時代じゃ。
　だから、今は心配いらんよ」
　いつもの笑顔に戻ったおじいさんを見て、孫たちもほっと笑いましたとさ。