暑いまち針
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私はマチ針。とても暑がりなマチ針。ちょっと暑くなっただけで汗をかきます。
持ち主のお嬢さんが結婚することになりました。お嬢さんは自分でデザインし縫ったドレスで式を挙げます。そんな大切なドレスに私は使われました。
夏の暑い日。お嬢さんは冷え性なのでクーラーの設定温度は高めです。私には暑い環境の中、やっぱり汗をかいてしまいました。
「あら?やだ、ここ濡れてる」お嬢さんが私の汗に気付きました。「なに?マチ針が濡れてるの?」お嬢さんは私を引っこ抜き、ハンカチで拭いてからまた刺し直しました。それでもまた噴き出す汗。私は再びドレスを濡らしてしまいました。
どうしよう。狼狽している私をよそに、お嬢さんは濡れた部分をじっと見つめます。そして言いました。「そうか、ここに水滴のようなクリスタルを付けたら素敵ね」
ドレスは無事でき上がりました。ふんわりしたシルエットにキラリと水滴が光っていました。
持ち主のお嬢さんが結婚することになりました。お嬢さんは自分でデザインし縫ったドレスで式を挙げます。そんな大切なドレスに私は使われました。
夏の暑い日。お嬢さんは冷え性なのでクーラーの設定温度は高めです。私には暑い環境の中、やっぱり汗をかいてしまいました。
「あら?やだ、ここ濡れてる」お嬢さんが私の汗に気付きました。「なに?マチ針が濡れてるの?」お嬢さんは私を引っこ抜き、ハンカチで拭いてからまた刺し直しました。それでもまた噴き出す汗。私は再びドレスを濡らしてしまいました。
どうしよう。狼狽している私をよそに、お嬢さんは濡れた部分をじっと見つめます。そして言いました。「そうか、ここに水滴のようなクリスタルを付けたら素敵ね」
ドレスは無事でき上がりました。ふんわりしたシルエットにキラリと水滴が光っていました。
その他
公開:18/06/12 17:07
更新:18/06/12 17:14
更新:18/06/12 17:14
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