赤い糸

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ある日、赤い糸が見えるようになった。
ぼくは、赤い糸の先にいる相手を探しに出掛けた。
赤い糸は、町のなかを通り、田舎へ、山へ、谷へ、異国へ…。
ときには赤い糸の相手以外とのワンナイトラブもあった。本気になったときもあったが、いつも糸の先の相手が気になって、また旅立ちを決意するのだった。
やがて長い旅の果てに、ぼくがたどりついたのは、なんとかつてぼくの住んでいた町。ぼくの住んでいた家。の隣の家。
そこにはかつての幼馴染みが待っていた。
ぼくは彼女を抱き締めて…。

目が覚めると、ぼくは自分の部屋にいた。
なんだ夢だったのか。
頭をかいたぼくの指には、赤い糸が結ばれていた。

未曾有の大災害で人類は今や壊滅的なこの世の中に、果たしてどんな相手がぼくを待っているのだろうか?
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公開:18/06/09 11:48

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