黒い人
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小指の三分の一程の小さな黒い人が、度々僕の家に現れるようになった。
別に害はないのだ。ただチョロチョロと歩いていたり、音楽に乗ってダンスをしていたり、テレビを見て笑っていたり、こぼれたお菓子を食べていたりするだけで。
ただあまりに小さいので気をつけていないと、気が付かずに踏んでしまいそうで、ドキドキする。
いつからうちに住んでいるのかな。どこで眠っているんだろう。いつも黒い人の住みかを探すのだけれど、なかなか見つからない。
でも、この間気がついたんだ。うちで飼っている茶トラの瞳を見ていたら、細くなった黒目が人の形になってダンスをしていたんだ。僕に気付くと慌てて気をつけの姿勢になって動きを止めたけど、あれは黒い人だ。
それから僕は茶トラの瞳から出たり入ったりする黒い人を目撃した。
だから僕は最近、心配なんだ。僕の瞳も知らない間にどこかでダンスなんかしてるのかもって。
別に害はないのだ。ただチョロチョロと歩いていたり、音楽に乗ってダンスをしていたり、テレビを見て笑っていたり、こぼれたお菓子を食べていたりするだけで。
ただあまりに小さいので気をつけていないと、気が付かずに踏んでしまいそうで、ドキドキする。
いつからうちに住んでいるのかな。どこで眠っているんだろう。いつも黒い人の住みかを探すのだけれど、なかなか見つからない。
でも、この間気がついたんだ。うちで飼っている茶トラの瞳を見ていたら、細くなった黒目が人の形になってダンスをしていたんだ。僕に気付くと慌てて気をつけの姿勢になって動きを止めたけど、あれは黒い人だ。
それから僕は茶トラの瞳から出たり入ったりする黒い人を目撃した。
だから僕は最近、心配なんだ。僕の瞳も知らない間にどこかでダンスなんかしてるのかもって。
ファンタジー
公開:18/06/08 20:06
人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。
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