川を上る

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天の川では鯉が川上りをする。
しかしその道程には多くの困難があった。流れが速く、様々な形状の星が行く手を阻む。運が悪ければ、呑気に釣りをしている彦星の釣り針に引っかかったりもする。
殆どが力尽きる中、それでも川上りをする理由は、自分の存在を残したいという願いがあるからと言われている。

一匹の鯉が、難関を突破し天の川を上り切った。
願いを叶えた鯉は、やがてその姿を竜へと変えていく。同時に、天の川を離れ、どこかの空へと飛翔していく。
その瞬間、その存在を誇示するかのように体を発光させる。
地上から見ると星が飛んで行くように見える事から、その姿は「竜星」と名付けられ、願いが叶う象徴として信仰されていった。

ふと見上げると、竜が大挙して飛んで行く「竜星群」に出くわした。
穏やかな天の川を後目に、沢山の咆哮を無音の夜空に響かせている。

人々は願うのも忘れ、ひたすら空にカメラを向けていた。
その他
公開:18/06/09 23:56
更新:18/08/01 19:27

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