腰ぬけの鼻
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俺はクサイ臭いをかぐのが好きだ。
世界一臭い果物とか世界一臭い花とか、そういうのを聞くとその臭いをかがないと気が済まない。
今回手に入れたのは、世界一臭い缶詰である。やっと手に入れたこの缶詰。いざ開けようとしたその瞬間、鼻が逃げた。
「もう勘弁してください」
涙を流しながら、と言っても見た目は鼻水なのだが、上目遣いならぬ上鼻遣いで懇願してくる。
「毎日クサイ思いをするだけでも辛いのに、その缶詰。鼻が曲がるっていうじゃないですか。私はもうこれ以上曲がりたくないんです」
そう訴える鼻は確かに曲がっている。それもかなり大きく。
「わかったよ。これ以上鼻が曲がったら俺も困る」
俺が缶詰から手を離したのを見て、鼻が戻ってきた。
その瞬間、俺は缶切りを缶詰にぶっ刺した。「腰抜けめ、くらえ!」
ぷしゅーーー
「うわー」
鼻がひどく曲がって、うまい具合に真っすぐになった。
めでたしめでたし。
世界一臭い果物とか世界一臭い花とか、そういうのを聞くとその臭いをかがないと気が済まない。
今回手に入れたのは、世界一臭い缶詰である。やっと手に入れたこの缶詰。いざ開けようとしたその瞬間、鼻が逃げた。
「もう勘弁してください」
涙を流しながら、と言っても見た目は鼻水なのだが、上目遣いならぬ上鼻遣いで懇願してくる。
「毎日クサイ思いをするだけでも辛いのに、その缶詰。鼻が曲がるっていうじゃないですか。私はもうこれ以上曲がりたくないんです」
そう訴える鼻は確かに曲がっている。それもかなり大きく。
「わかったよ。これ以上鼻が曲がったら俺も困る」
俺が缶詰から手を離したのを見て、鼻が戻ってきた。
その瞬間、俺は缶切りを缶詰にぶっ刺した。「腰抜けめ、くらえ!」
ぷしゅーーー
「うわー」
鼻がひどく曲がって、うまい具合に真っすぐになった。
めでたしめでたし。
その他
公開:18/06/09 12:42
更新:18/06/09 22:15
更新:18/06/09 22:15
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