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放課後、僕と亮と由紀は学校の裏山にいた。
「七夕の夜、金の笹を見つけて短冊をつるすと願い事が叶うんだって」
「由紀、あの絵本まだ信じてんの?」
亮があきれ顔で言った。
「うるさい!圭太も信じてるもんね」
由紀の瞳が僕を見た。
「うん。でも金の笹に近づくと災いが起きるって絵本には」
「お前ら馬鹿か」亮が言った。
「じゃあさ亮だけ帰れば?」
「はあ?!」
「あ!」思わず叫んだ。
目の前の笹がいきなり光り始めたのだ。
「嘘だろ」
「すごーい」由紀が笹に手を伸ばして、触れた。
瞬間、地面が裂け僕たちはその割れ目に真っ逆さまに落ちた。

なのに僕たちは今、校庭にいる。
「あれ?何で?」亮が辺りを見回した。
「ねえ」由紀が言った「私らどうなったの?」
「さあ」僕は首を傾げた。
これがヒーローの孤独という奴か。
あの時僕はとっさに持っていた『スーパーヒーローになりたい』と書いた短冊を金の笹に放ったのだ。
ファンタジー
公開:18/06/07 19:18
更新:18/06/16 12:06

松山帖句( 松山城の麓 )

松山はええところぞなもし。だんだん。

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