Aestate ex machina

0
99

午前七時。
まだ眠い頭をブラックコーヒーで叩き起こし、シリアルを腹に入れる。
最寄り駅までは徒歩二分。
携帯電話でSNSとニュースを確認し、早足で通勤電車に乗り込み束の間の居眠りで睡眠不足を補う。
午前中はメールを確認し、事務作業をこなす。
コンビニで買った簡素な昼食を食べ、午後も業務に励む。
午後十一時。
帰宅後スーパーで半額になった惣菜を購入し、缶チューハイでそれらを流し込むと、風呂に入り布団に横になる。
間もなく睡魔が訪れ、逆らうことなく落ちていった。


午後一時。
目が覚め、時計を二度見し、絶望した。
時刻は大幅な遅刻を示していた。
理由が寝坊だけに言い訳は絶望的だ。潔く諦めよう。
寝室の窓からは穏やかな午後の日差しが差し込んでいる。
久し振りに窓を開け、眩しい太陽に手を翳した。
広げた指の隙間からは何カ月振りかに見る青空が溢れ出す。
指先に感じる温度が、夏の訪れを告げていた。
その他
公開:18/06/07 16:15

TAMAUSA825( 東京と神奈川 )

登場することが趣味です。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容