引っ越し蕎麦
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その寺の墓地で納骨が行われると、決まって近くの蕎麦屋に出前の電話がかかる。
出前先は寺の墓。電話で言われた墓の前に行くとちゃんと代金が置いてある。
なので配達した者も蕎麦を置いていく。翌日墓に行くと、空になった入れ物が墓の前に置いてある。
それにしても誰が蕎麦を注文しているのだろう。
不思議に思った蕎麦屋は配達した日の夜、墓地に行ってみた。すると、墓の回りに火の玉が集まっている。
耳を澄ますと声が聞こえてきた。
「今日からこの墓に入ることになりました。これ、引っ越し蕎麦です。皆様でどうぞ」
蕎麦の周りに火の玉が集まると、みるみる蕎麦が減っていく。
みんな自分の生い立ちや、墓に入ってからの思い出などを語っていて、賑やかだ。
やがて蕎麦が空になると、蕎麦を振舞った火の玉が、入れ物を墓の前にきれいに重ねる。
「末永くよろしくお願いします」再度挨拶をすると火の玉たちは各々自分の墓に戻って行った。
出前先は寺の墓。電話で言われた墓の前に行くとちゃんと代金が置いてある。
なので配達した者も蕎麦を置いていく。翌日墓に行くと、空になった入れ物が墓の前に置いてある。
それにしても誰が蕎麦を注文しているのだろう。
不思議に思った蕎麦屋は配達した日の夜、墓地に行ってみた。すると、墓の回りに火の玉が集まっている。
耳を澄ますと声が聞こえてきた。
「今日からこの墓に入ることになりました。これ、引っ越し蕎麦です。皆様でどうぞ」
蕎麦の周りに火の玉が集まると、みるみる蕎麦が減っていく。
みんな自分の生い立ちや、墓に入ってからの思い出などを語っていて、賑やかだ。
やがて蕎麦が空になると、蕎麦を振舞った火の玉が、入れ物を墓の前にきれいに重ねる。
「末永くよろしくお願いします」再度挨拶をすると火の玉たちは各々自分の墓に戻って行った。
その他
公開:18/06/08 17:25
文章を書くのが大好きです。
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