あとをつぐ

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「いいか、ここは400年以上続いた由緒ある場所だ。お前が必ずあとをつぐんだぞ。」

とある木の前で父にそういわれたが、なんのことやらわからない。

やがて父がなくなった。
私はあとをつぐの意味がわからないまま、とりあえず父と同じ職業についた。
父の遺言だったので、息子が10歳になったとき、私はかつて父に言われた通り、あの木の下で
「いいか、ここは由緒ある場所だ。お前が必ずあとをつぐんだぞ。」と言った。
息子は、じっと木の下をみて、かつての私のように首をかしげた。無理もない。

やがて私が年を取り、死ぬときがきた。
息が止まり、目の前が暗くなる。
と、次の瞬間、私はあの木の下にいた。
目の前には父。
「ようやくあとをつぎにきたな。」
「どうなってるんだ。」
「うちの祖先が昔この木の下に殺した人を埋めたらしい。それで、ばれないように代々幽霊になり、人が来ないように見張ってるというわけさ。」
ホラー
公開:18/06/06 21:49

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