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外界の全てが厭になった僕は、長らく勤めていた仕事を辞めて帰郷した。
何も訊かずにおいてくれている家族の好意に甘えて、家事も手伝わず日がな一日ごろごろする日々を送っている。
そんなある日の午後。
押入れの整理をしようと襖を開けた時、ゲジゲジ虫が壁に張り付いているのを見つけた。
こういう害虫はどこの家にでも棲みついているものなのだろう。存在自体が鬱陶しい。
すぐにでも仕留めたいが、手頃な武器が見当たらない。
確か洗面所の収納棚に殺虫剤が常備されていた筈と思い立ち、僕はさっそく部屋を出た。
階段を下りた所で、殺虫剤を手に廊下をうろつく祖父と出会した。
祖父は僕を見るや否や鬼のような顔になり、
「さあ見つけた、このうるさい蝿め!」
と一声叫び、僕を目掛けて殺虫剤を噴射した。
背中を羽ごと床にぽたんと打ち付けた時、僕は自分が長い事家に住み着いている害虫である事をふと思い出したのだった。
何も訊かずにおいてくれている家族の好意に甘えて、家事も手伝わず日がな一日ごろごろする日々を送っている。
そんなある日の午後。
押入れの整理をしようと襖を開けた時、ゲジゲジ虫が壁に張り付いているのを見つけた。
こういう害虫はどこの家にでも棲みついているものなのだろう。存在自体が鬱陶しい。
すぐにでも仕留めたいが、手頃な武器が見当たらない。
確か洗面所の収納棚に殺虫剤が常備されていた筈と思い立ち、僕はさっそく部屋を出た。
階段を下りた所で、殺虫剤を手に廊下をうろつく祖父と出会した。
祖父は僕を見るや否や鬼のような顔になり、
「さあ見つけた、このうるさい蝿め!」
と一声叫び、僕を目掛けて殺虫剤を噴射した。
背中を羽ごと床にぽたんと打ち付けた時、僕は自分が長い事家に住み着いている害虫である事をふと思い出したのだった。
ホラー
公開:18/06/06 21:32
色々疲れたのでお休み中。ここは跡地になりました。
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長めの過去作はコチラ:https://estar.jp/users/141739266
日々の呟きはコチラ:http://timelog.jp/home/personal.asp
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※小説の表紙はフリーの写真素材配布サイト「写真AC」よりお借りしてます。
https://www.photo-ac.com/
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