郵便ポスト

今、私は、ビル街の一角にある出版社の一室にいる。
要するに会議中なのである。
周りを見渡せば、ああでもない、こうでもないと社員たちが提案と却下を繰り返している。
現在、次に載せる月刊郵便ポストの記事に関して話し合っているのだ
ああ、申し遅れました。吾輩はこの出版社社長の黒猫である。
まあ、そうは言っても文字通り猫の額ほどの事務所を構える零細企業の社長だ。
社長、最近は手紙よりもメールの方が主流です。今時、誰もポストには興味など持っていません。
そこで、提案なのですが、いっそのこと雑誌に付録を付けましょう。毎月雑誌に付いて来るパーツを組み立てると一年後には家の前に実物大のポストが完成するのです。わざわざ郵便ポストまで手紙を持って行く必要がありません。画期的だと思いませんか
でも、それでは郵便配達の職員が大変になるだけではないか。
大丈夫です。それなりの地位と給料を保証するポストを与えますから