がりがりくん
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僕は大学に進学にあたり、寮生活を余儀なくされた。
短い夏が始まる頃、僕は彼と出会った。
「二留してるけど一年生だからタメでいいよ。俺、みんなにはガリガリ君って呼ばれてるんだ」
ガタイのいい茶髪の青年で、あだ名とは程遠そうだった。
「なんでガリガリ君なの?」
「実はすごい特技があるんだ」
彼は透明なプラスチックのカップを取り出すと、左手首を外した。みるみるうちにかき氷が作り出された。
「味はメロンでいい?」
右手の人差し指からは緑のシロップが流れ出した。
いつでも無料でかき氷を提供する彼は人気者で、よく寮生の女子たちの輪の中にいた。
短い夏が終わる頃、彼の姿を見なくなった。
僕は気になって、女子たちに尋ねてみた。
「ねぇ、ガリガリ君最近見ないけど、どうしたのか知ってる?」
女子たちは笑いながら答えた。
「だって、夏以外は使い物にならないんだもの。みんなで倉庫にしまってきちゃったわ」
短い夏が始まる頃、僕は彼と出会った。
「二留してるけど一年生だからタメでいいよ。俺、みんなにはガリガリ君って呼ばれてるんだ」
ガタイのいい茶髪の青年で、あだ名とは程遠そうだった。
「なんでガリガリ君なの?」
「実はすごい特技があるんだ」
彼は透明なプラスチックのカップを取り出すと、左手首を外した。みるみるうちにかき氷が作り出された。
「味はメロンでいい?」
右手の人差し指からは緑のシロップが流れ出した。
いつでも無料でかき氷を提供する彼は人気者で、よく寮生の女子たちの輪の中にいた。
短い夏が終わる頃、彼の姿を見なくなった。
僕は気になって、女子たちに尋ねてみた。
「ねぇ、ガリガリ君最近見ないけど、どうしたのか知ってる?」
女子たちは笑いながら答えた。
「だって、夏以外は使い物にならないんだもの。みんなで倉庫にしまってきちゃったわ」
その他
公開:18/06/05 00:26
北海道出身です。
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