ブラックリング
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「久しぶり」と言う声で顔を上げると、2年ぶりの彼の顔とかち合った。
「この喫茶店変わらないな」と言うから「あと半年したら壊すんだって」と伝える。
「…そっか。まあ長いもんな」と、少し寂しそうに事実を受け入れている。
あまり待つこともなく、頼んだアメリカンコーヒーが2つ届いた。
「あっちでの暮らしはどう?」から、お互いの近況報告が始まる。
時間はあっという間に過ぎ「そろそろ帰らないと」と彼が立ち上がる。
「…泊まっていったら?」言うつもりの無かった言葉がするりと落ちた。
彼の瞳が、ほんの一瞬だけ揺れた気がした。
「帰るよ。待ってるから。」と予想していた返答に、変わらない彼の一面が見える。
「…あと、それ、もう捨てていいよ」
「……」
「ごめんな」
「ううん、ありがとう」
ドアのベルが鳴り響く。
嵌めていたリングを外して、飲みかけのコーヒーへと落として、私もドアのベルを鳴らした。
「この喫茶店変わらないな」と言うから「あと半年したら壊すんだって」と伝える。
「…そっか。まあ長いもんな」と、少し寂しそうに事実を受け入れている。
あまり待つこともなく、頼んだアメリカンコーヒーが2つ届いた。
「あっちでの暮らしはどう?」から、お互いの近況報告が始まる。
時間はあっという間に過ぎ「そろそろ帰らないと」と彼が立ち上がる。
「…泊まっていったら?」言うつもりの無かった言葉がするりと落ちた。
彼の瞳が、ほんの一瞬だけ揺れた気がした。
「帰るよ。待ってるから。」と予想していた返答に、変わらない彼の一面が見える。
「…あと、それ、もう捨てていいよ」
「……」
「ごめんな」
「ううん、ありがとう」
ドアのベルが鳴り響く。
嵌めていたリングを外して、飲みかけのコーヒーへと落として、私もドアのベルを鳴らした。
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公開:18/06/04 19:31
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