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とある国の王様は泣いていました。
「儂はダメな王様だ…正直者にしか見えない服などという、ありもしないものを着たつもりで、国民の前に裸で出歩いでしまった…間抜けな王だ…」
悲しみに暮れ、引きこもる王様に大臣は言いました。
「王様、朗報があります。あのパレードの時、王様が穿いていたシークレットシューズには誰も気づいておりません。なので王様、国民には『王は足が長い』という印象が植え付けられたようです」
「本当か？」
王様は泣くのを止め、顔を上げました。
「ええ、それに意外と筋肉質であることから結婚したい、傍仕えしたいという娘が城に大勢やってきております。さらに包み隠さず裸で出てきたことは、それは兵たちを信用している証だと捉えられたようで、支持率も上がっております」
「ということは？」
「裸でパレードしたことで国の指揮を上げることが出来たようです」
「…案外、騙されるのも悪くないな…」