君など知ったことではない

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子供の頃は天動説、その後地動説。世界の認識は、例えるならそう変化した。幼いころ、大人はだれもが僕に都合のよいものだった。飯から風呂から着替えから、なんでも面倒を見てくれたし。ここら辺が天動説。そのうちには思い通りにならないことも出てきた。親は好きなお菓子や玩具をいつでもとは買ってくれなくなった。自分中心―天動説のようなーの世界は崩れ去り、中心には代わりに親が据えられた。親は太陽のような存在で、依然として僕は地球であったが。その後も僕の世界は広がり続けた。親でさえこの世界の中心ではないと知る。今ではもう、僕を振り回す引力が何処から来るのか、そもそも世界に中心なんてあるのかもわからない。確かなのは、世界にて僕の存在は、宇宙に浮かぶ塵に等しいってこと。世界は僕に依らず回る。でも、それでいいと思うのさ。

『今日休講って聞いただけでよくそんなにぺらぺらと』
「誰も来ないから暇で...」
『あ、そ』
その他
公開:18/06/03 21:45
更新:18/06/03 23:05

sakana

ショートショート好きです
学生やってます。

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