因果応報

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すまない、少年。泣きながら少年の両親に機関銃の銃口を向ける。
どうか優しい人に引き取られてくれ。
矛盾した願いを込めながら、彼は引き金を引いた。


今、世界はどこも紛争で溢れている。理由は様々だが、共通しているのは権力者のエゴに皆が巻き込まれているくらいか。
彼は傭兵として、各国を渡り歩いてきた。もうこんな生活を15年は続けている。

昔は人を撃つのが怖くて仕方がなかった。先ほども、初めて撃った夫婦の夢で目が醒めた。あの少年は保護されたのだろうか。

突然銃声が鳴り響いた。
かなりの数に囲まれている。いよいよ年貢の納め時のようだ。

1人の若い敵兵が銃口を向けてきた。
一瞬の戸惑いと、凄まじい怨嗟の眼。
彼はその瞬間悟った。
あぁ。どうしてここに君が居る。
悪人の願いは届かないのか。

最後にせめて願うなら。
どうか、ここで復讐の輪を断ち切ってくれ。
その他
公開:18/05/31 19:42

WAかめ( 山の中 )

ぽやぽやと思い付いた物語を書いております。素晴らしい作者の皆様の作品を読みながら勉強中の万年初心者。よろしくお願いいたします。

マイペースに投稿再開していければ良いなぁと思ふ今日この頃。

不勉強なもので、もしどなたかの作品と似た内容を投稿してしまっていた場合はご指摘頂けますと幸いです。
 

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