神の浴槽

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或る日のこと、マルス神が海で沐浴をしていると、
「わしも人間のように、熱い湯船に浸かってみたいものじゃ」
と、呟きました。

人間たちは知恵を絞りますが、山より大きな神ではどうしようもありません。
「わしに合う浴槽はないからなァ」
と、大変残念そうです。

ふと天を見上げると、真っ赤な「太陽」がマルス神の眼に留まります。暫くしげしげと眺めておられますと、何やら思いついたご様子。
「ふむ」
と云うが早いか、太陽をむんずと掴みそのまま海中へと沈めます。
太陽は、じゅうっと音を立てて冷たい海をどんどん熱していきました。
「ふう、こりゃいいお湯じゃ」
熱い海の浴槽に浸かり、とても上機嫌です。

マルス神は満足して浴槽からあがると、
「最後はこうするんじゃったな」
と海の底の栓を、ポンと抜いてしまわれました。
ゴボゴボゴボ ゴボッ ゴボボッ

それ以来、火星の海は干上がったままなのでございます──。
ファンタジー
公開:18/05/31 15:54
更新:18/09/17 15:50

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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