海のお仕事

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同窓会。会場の隅に1人でオレンジジュースを傾ける彼女を見つけて声をかける。

「久しぶり。呑まないの?」

「うん、オレンジ好き」

「仕事してるの?」

「うん、海のお仕事」

「意外だね、海運とか?」

「ううん、海を青くしてるの」

「相変わらず不思議ちゃんだね」

「海は青いでしょ? けど掬ったら透明。あれ、私がやってるの」

「確かに……言われてみれば」

「あとは空を青くする人とかも、いるよ。私は海担当」

「そっか、そのお仕事楽しい?」

「うん、とっても!」

そう言って見せる笑顔は、中学時代の記憶を鮮やかに思い出させてくれる。
僕の知らない楽しいを見つけては嬉しそうに教えてくれた日々。
彼女は昔のままで、僕をもう一度、青い春の色に染めてくれたみたいだった。
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公開:18/05/31 23:56

おかだ

大学生。楽しいことを思いつくと嬉しい。

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