情報洪水警報

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近所の小学校でサイレンが鳴っている。
「情報洪水警報発令。皆さん、すみやかに避難して下さい」

俺はアパートの窓から外を見た。
たくさんの写真や文字が道路を流れている。
本当に危険かもしれない。すぐ避難するか。

俺はスマホと財布と当面の着替えを入れたリュックを背負い、
長靴を履いて、部屋を出た。

流れてくる…
犬の写真、美少女のイラスト、レストランの口コミ、
プログラミングの文字列、「お世話になっております」の文字…

流れに逆らって歩いた。

避難先の小学校で、
郊外にあるデータセンターのサーバーが、
情報のキャパを超え爆発したと知った。

3日後、このサーバーの情報はすべて海に流れ、
俺たちは帰ることができた。

ただ、俺のパソコンもスマホも、電源を入れても画面は真っ白だ。
最近できた彼女の連絡先もメッセージも、全部海の底だ。

情報漏えいの損害金額は、想像もつかない。
SF
公開:18/05/31 23:37

琴子

こんにちは♪
このショートショートガーデンで初めてショートショートを書いてみました。
皆さんの作品も楽しく読ませていただいています。
よろしくお願いします。
 

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