暗黒世界と灯火

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学校の誰もいない夕暮れの空の下
学ランを着た少年が屋上から校庭を
見下ろしていた

あの時こうしていれば

でもまぁそんなことはどうでもいい
ここから飛び降りれば楽になる

失う物なんて何も無い
少年がフェンスを乗り越え
いざ逝かんとしたその瞬間

真っ白な光に包まれた
音もなくやけに静かだ

次の瞬間
あれは 俺の母さん 父さんと一緒に
大きな腹を撫でて微笑んでいる

また あの光だ

両親が赤ん坊の誕生を喜んでいる

今度は 赤ん坊が寝返りした
初めて立った
初めて歩いた
初めて走った

そして家族旅行中
わき見運転のトラックとぶつかる瞬間
両親の声は聞こえなかった
だけど確かに俺には伝わった

強く生きろ

気がつくと屋上のフェンス
あたりは真っ暗だったが
少年の心は明るく照らされていた
青春
公開:18/05/30 14:26
更新:18/07/20 00:53

春星( 神奈川県 )

春星と申します

自宅では一児の親
職場では会社員

そして通勤電車の中では
自称ショートショート作家に
大変身‼︎
車窓を見ながら今日も
ネタを考えています

8月22日作品の星が100を超えました
とても嬉しいです!皆さまに感謝

 

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