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その絵はベッドの上に無造作に置かれていた。外国だろうか。夕日が沈む海が描かれている。
それにしても奇妙な電話だった。
「絵から波の音がするんだ」
友人がどうせまた昼間から酔っぱらってるのだと思った。
「バイトの後で寄るから」僕は電話を切った。
部屋に入ると誰もいなかった。
何だよ、コンビニにでも行ってん・・え?
絵の中で、夕日に照らされた金色の海が静かにゆれている。
そんな。
するとその絵から波の音と一緒に甘美な歌声が聞こえてきた。
いつの間にか、海の波間に美しい女性の顔が並んでいる。
人魚?
その一人が僕に手を振った。
僕は魅入られたように絵に手を伸ばした。指先が、チャプリと音を立てて絵の中に入った。瞬間、柔らかい手がものすごい力で僕の手を掴み僕の体は水の中に引きずり込まれた。
息が出来ない。遠のく意識の中で聞こえたのは。
「お姉ちゃん、ほんと若い男が好きね」
「だって美味しいんだもん」
それにしても奇妙な電話だった。
「絵から波の音がするんだ」
友人がどうせまた昼間から酔っぱらってるのだと思った。
「バイトの後で寄るから」僕は電話を切った。
部屋に入ると誰もいなかった。
何だよ、コンビニにでも行ってん・・え?
絵の中で、夕日に照らされた金色の海が静かにゆれている。
そんな。
するとその絵から波の音と一緒に甘美な歌声が聞こえてきた。
いつの間にか、海の波間に美しい女性の顔が並んでいる。
人魚?
その一人が僕に手を振った。
僕は魅入られたように絵に手を伸ばした。指先が、チャプリと音を立てて絵の中に入った。瞬間、柔らかい手がものすごい力で僕の手を掴み僕の体は水の中に引きずり込まれた。
息が出来ない。遠のく意識の中で聞こえたのは。
「お姉ちゃん、ほんと若い男が好きね」
「だって美味しいんだもん」
その他
公開:18/05/30 13:04
更新:18/07/14 17:24
更新:18/07/14 17:24
元・松山帖句です。
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