冒険列車

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はぁぁ。。
「どうした新人。溜息なんかついて。」
「だって、毎日同じレールを行ったり来たり。たまには違う景色が見たいですよ。」
「皆一度はそう思うもんよ。でもなぁ、俺たちが毎日決まった時間に決まった場所を走るから、皆が安心して会社や学校に行けるんだぞ。」先輩電車は胸を張ってそう言った。
でも、ある夜、月がシャーベットみたいに美味しそうで、星が砂糖菓子みたいに甘く見えたから、僕は思わずレールを外れ、空に向かって駆け出していた。
乗客から、ワァッと歓声が上がる。僕は夢中で星の合間を縫って夜空を駆けけた。
そうして走り疲れて駅に戻ると、先輩電車がカンカンに怒っている。事の重大さに気付いて真っ青になっていると、
「時にはレールを外れるのもありだな。」「楽しい冒険だったぜ。」「また連れてけよ。」乗客たちが口々に話しかけてきた。
よーし、明日から皆を乗せてまた頑張ろう。時には冒険もしながらね!
ファンタジー
公開:18/05/30 00:35

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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