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彼は暗い夜の海に、海鳴りとともに現れる
暗くてよく見えないがあまり大きくは無いようだ
彼は少し寂しげな声で「柄杓を頂戴」と僕に話しかけてくる
僕は穴の開いた柄杓を海へ投げ入れる
彼は柄杓を取り水を汲もうとするのだが、穴の開いた柄杓ではいくら頑張ろうとも水は穴から抜けてゆく
それでも彼は一生懸命に何度も何度も水を汲む
その姿がなんだか可笑しくて、つい夜な夜な彼の元へ会いに来てしまう
10分程経つと彼は息を切らしながら震えた声で「もう 帰る...」と言い残し、暗い海へと消えて行く
彼は会う度に大きくなっていき、気がつくと僕よりも大きくなっていた
そしてある日
彼はいつもの様に「柄杓を頂戴」と僕に言う
僕はいつもの様に穴の開いた柄杓を投げる
すると彼は「良いこと思いついたんだ!」と言い柄杓の穴を海藻で塞ぎ始めた
穴のない柄杓で彼はどんどんと水を汲み、あっという間に僕と船は海へ沈んでいった
暗くてよく見えないがあまり大きくは無いようだ
彼は少し寂しげな声で「柄杓を頂戴」と僕に話しかけてくる
僕は穴の開いた柄杓を海へ投げ入れる
彼は柄杓を取り水を汲もうとするのだが、穴の開いた柄杓ではいくら頑張ろうとも水は穴から抜けてゆく
それでも彼は一生懸命に何度も何度も水を汲む
その姿がなんだか可笑しくて、つい夜な夜な彼の元へ会いに来てしまう
10分程経つと彼は息を切らしながら震えた声で「もう 帰る...」と言い残し、暗い海へと消えて行く
彼は会う度に大きくなっていき、気がつくと僕よりも大きくなっていた
そしてある日
彼はいつもの様に「柄杓を頂戴」と僕に言う
僕はいつもの様に穴の開いた柄杓を投げる
すると彼は「良いこと思いついたんだ!」と言い柄杓の穴を海藻で塞ぎ始めた
穴のない柄杓で彼はどんどんと水を汲み、あっという間に僕と船は海へ沈んでいった
ホラー
公開:18/05/31 01:48
更新:18/05/31 02:06
更新:18/05/31 02:06
海
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